坐骨神経痛について
坐骨神経痛について
坐骨神経痛は、腰から足にかけて伸びる「坐骨神経」が圧迫や刺激を受けることで起こる痛みやしびれの総称です。病名ではなく、さまざまな疾患が原因で発生する症状の一つとされています。
原因について
坐骨神経痛の原因について説明していきます。
・椎間板ヘルニア
椎間板ヘルニアは、若い人（20〜40代）に多い原因です。腰の骨（椎骨）の間にある「椎間板」が飛び出し、神経を圧迫することで痛みやしびれが発生します。
特に、長時間座っていると痛みが強くなる、前かがみになると痛みが増す、重いものを持ち上げると痛みが悪化しやすくなります。
・腰部脊柱管狭窄症
腰部脊柱管狭窄症は、中高年（50代以上）に多い原因です。加齢によって「脊柱管」（神経が通るトンネル）が狭くなり、神経を圧迫することで痛みが出ます。
歩くと痛みやしびれが出るが、座ると楽になる、背筋を伸ばすと痛みが増すが、前かがみになると和らぐ、長時間立っていると痛みが強くなると言う特徴があります。
・梨状筋症候群
梨状筋症候群は、デスクワークやランニングをする人に多い原因です。お尻の筋肉（梨状筋）が硬くなり、坐骨神経を圧迫することで痛みが発生します。
特徴として、長時間座ると痛みが悪化する、お尻を押すと痛みがある、歩いたり、階段を上ると痛みが強くなることがあります。
・変形性腰椎症
加齢や長年の負担で、腰の骨が変形し、神経を圧迫することで痛みが出ます。動き始めに痛みが強く、しばらくすると和らぐ、腰を反らすと痛みが強くなると言われています。
・すべり症（腰椎すべり症）
腰の骨（腰椎）がズレてしまい、神経を圧迫することで痛みが出ることがあります。すべり症は、腰を反らすと痛みが強くなる、長時間歩くと足にしびれが出るが、座ると楽になると言う特徴があります。
・筋肉のこり・血行不良
姿勢の悪さや筋肉の硬さが、坐骨神経を刺激して痛みが出ることもあります。
特に、長時間の座り仕事や立ち仕事で悪化、お尻や腰をマッサージすると楽になる、ストレッチで症状が和らぐことがあります。このように、運動不足・冷え・姿勢の悪さが原因になる場合もあります。
症状について
坐骨神経痛は、腰からお尻、太もも、ふくらはぎ、足先にかけて伸びる「坐骨神経」が圧迫されることで発生する痛みやしびれの総称です。単なる「腰痛」とは異なり、腰から足にかけての神経症状が特徴です。
・腰から足にかけての痛み
お尻・太もも・ふくらはぎ・足にかけてズキズキ、ビリビリとした痛みがあり、電気が走るような痛みが突然現れることがあります。
長時間座っていると痛みが強くなり、安静にしていてもズキズキすることがあります。また、歩くと痛みが増しますが、座ると楽になります。
・足のしびれ・違和感
足の裏やふくらはぎに「ジンジン」「ピリピリ」する感覚や、皮膚の感覚が鈍くなる（触っても感覚が薄い）、足の一部が冷たく感じることがあります。さらに、お尻や太ももに「違和感」や「詰まる感じ」がある場合もあります。
しびれは痛みと一緒に出ることもあれば、痛みが治まった後に残ることもあります。
・筋力低下・動かしにくさ
足に力が入りにくくなります。特に片方の足に力が入りにくくなる場合があります。また、つま先やかかとで立つのが難しくなる、階段の上り下りがしづらい、足を引きずるような歩き方になることもあります。
症状が進行すると、歩くのも困難になり、転倒のリスクが高まります。
・歩行時の違和感・痛み
歩くと痛みが増し、休むと楽になる、足が重く感じる（例：だるい、引きずる感じなど）ことがあります。長時間の立ち仕事や歩行で症状が悪化すると言われています。
さらに、腰部脊柱管狭窄症が原因の場合、「しばらく休むとまた歩ける」という特徴があります。
・お尻の痛み（梨状筋症候群の可能性）
お尻の奥にある「梨状筋」が硬くなると、坐骨神経を圧迫し、坐骨神経痛を引き起こすことがあります。
特に、片側のお尻がズキズキ痛い、長時間座ると痛みが悪化してきます。また、座っているときよりも立ち上がるときが痛い、お尻の外側を押すと強い痛みがあると言うような特徴があります。
・ふくらはぎ・足裏の違和感やこむら返り
神経が圧迫されると、筋肉が異常に緊張し、こむら返り（足がつる）を引き起こすことがあります。例えば、ふくらはぎが異常に張る・つる、足の指が動かしにくい、足の裏に異物があるような感覚を引き起こすことがあります。
・重症の場合
尿が出にくい・頻尿になる、または便秘や失禁になる可能性があります。さらに、股間周りの感覚が鈍くなることもあり、足の筋力が大きく低下すると、歩くのが困難になると言われています。