四十肩について
五十肩・四十肩について

四十肩とは、40代〜50代に多く発症する肩の痛みと可動域制限を伴う疾患で、正式名称は「肩関節周囲炎」です。特に明確な外傷がないのに、徐々に痛みが出て肩が動かしにくくなるのが特徴だと言われています。「五十肩」と「四十肩」は同じ病気です。発症年齢が違うため、呼び方が変わると言う違いがあります。
原因について

四十肩の原因は完全には解明されていませんが、次の原因が関係していると考えられています。
・加齢による関節や腱の変性(老化現象)
肩の関節や腱、靭帯が年齢とともに劣化し、炎症を起こします。特に肩の関節包(関節を包む膜)が硬くなり、可動域が狭くなります。
・肩の使いすぎや動かさなさすぎ
同じ動作の繰り返し(例:デスクワーク、家事、スポーツなど)による負担が原因になることがあります。逆に運動不足で肩の柔軟性が低下すると、血流が悪くなり炎症を起こしやすくなります。
・血流の低下(肩関節周囲の血行不良)
加齢とともに肩の血流が悪くなり、回復力が低下することで炎症が長引きます。冷えや姿勢の悪さも血行不良を引き起こす原因のひとつになります。
・糖尿病・高血圧・甲状腺疾患との関連
糖尿病患者は四十肩になりやすく、症状が重くなりやすいことが知られています。また、高血圧や甲状腺の病気も関連があるとされていますが、詳しいメカニズムは不明です。
・ホルモンバランスの変化
女性の場合、更年期(40〜50代)のホルモン変化が影響している可能性があります。
症状について

四十肩の主な症状は「肩の痛み」と「肩の動きの制限」です。症状は徐々に進行し、3つの段階を経て治るのが一般的です。
①急性期(発症~数カ月)
肩の強い痛みが突然または徐々に発生し、腕を動かすと激痛が走るようになります。じっとしていてもズキズキ痛みがあります。特に夜間に悪化しやすく、寝返りを打つと痛みで目が覚めることもあります。
②慢性期(数カ月~半年)
痛みが少し和らぎますが、肩が動かしにくくなります。そのため、腕が上がらない、後ろに回せないなど、着替えや髪を結ぶ動作が困難になります。また、痛みはありますが、安静時には軽減することがあります。
③回復期(半年~1年)
徐々に痛みがなくなり、肩の動きが回復してきます。リハビリやストレッチで可動域が広がります。ただし、完全に治るまで1年以上かかることもある場合があります。
注意が必要な症状
四十肩だと思っていたら、実は別の病気だったというケースもあります。
・頚椎(首)の病気:首を動かしたときに肩や腕が痛む場合は、頚椎の神経圧迫の可能性あります。
・腱板断裂:腕を上げると痛いが、ある角度から急にスッと上がる場合は腱板の断裂が疑われます。
・石灰沈着性腱板炎:四十肩よりも急激に強い痛みが出ます。